漢方は、体の不調ごとに処方されるもの?
2024.05.20
漢方は、体の不調や症状に応じて処方されるものですが、処方の方法は私たちが普段、病院で処方される医薬品と、漢方薬を処方する西洋医学とは異なります。
漢方医学では、人間の体はバランスがとても重要であり、体の不調はそのバランスの乱れによるものと考えられています。そのため、漢方医学では、今起きている症状だけではなく、その人の体質や体の状態など全体を総合的にみたうえで治療法を決定し、漢方薬が処方されます。
具体的には、体の不調や症状だけでなく、舌の状態や脈診などの診察結果、生活習慣や食事、精神的な側面などを総合的に判断していきます。漢方医学では、患者の個々の状態や体質に合わせて、特定の漢方薬を処方するのが一般的なことから、同じ症状でも患者によって処方される漢方薬は異なることがあります。
また、漢方薬は、単味薬や複数の生薬を組み合わせて作られるのが一般的で、それぞれの生薬が体の異なる側面に働きかけることで、総合的な効果を得ることが期待されます。
これらのことから、漢方医学では、体の不調や症状のみを見るのではなく、体全体のバランスや状態を総合的に診断し、それに基づいて適切な治療法と漢方薬の処方が行われているのです。